香典返しの熨斗(のし)は必要?注意したいことと種類や掛け方、書き方を押さえよう

2020/09/22
香典返しの熨斗(のし)は必要?注意したいことと種類や掛け方、書き方を押さえよう

贈りものをする時に掛ける熨斗(のし)。結婚や出産などに使用する慶事用の熨斗と、葬式や通夜の際の香典返しに使用する弔事用の熨斗があります。普段触れることのない熨斗の使い方について、いざ贈りものをする時に悩んだ事がある人もいるでしょう。弔事の熨斗は、香典返しの他にも粗供養やお見舞い、茶の子などいろんな種類があります。この記事では、香典返しに掛ける熨斗について、熨斗の種類や掛け方、熨斗の書き方について解説します。あわせて注意しておきたいこと、混乱しがちな熨斗についての知識も紹介します。
最終更新日:2021年1月11日

目次

熨斗とは?

心からの感謝の気持ちと誠意を表すために贈りものに掛ける熨斗(のし)。
中には、贈りものに掛ける紙を熨斗だと勘違いしている人もいることでしょう。
まずは混乱されやすい熨斗とのし紙の違いについて説明します。

熨斗とは、色紙を折って上が広く細長い六角形にし、細く切ったのしあわびをその中にはりつけたものをいいます。
お祝いなどの進物に添えるもので、その熨斗がプリントされている紙にことをのし紙といいます。

日本にある古くからの習慣で、日本の贈答の特徴ともいえるものです。
熨斗は、ナマモノ以外の贈りものに貼るのが一般的です。
反対に、魚や肉などの生鮮食品には熨斗は不要とされています。

また香典返しとは、お通夜や葬儀で故人にお供えしていただいた香典へのお返しのことをいいます。
一般的には四十九日の法要を終えてから香典返しを渡すのが一般的ですが、葬儀の当日にお菓子などをお返しする場合もあります。

香典返しの贈りものには熨斗は不要?

上記で説明したことから、ナマモノをお供えするのがタブーである仏前へのお供え物にも熨斗は不要となります。
これは、熨斗が不要と言うことであり、お供えや香典返しに掛ける「掛け紙」は、不要ということではありません。
熨斗が描かれている紙を「のし紙」と呼びますが、熨斗が描かれていないものを「掛け紙」といいます。
香典返しには、熨斗は不要ですが、水引が描かれた掛け紙は、きちんと掛けて感謝の気持ちを贈りましょう。

香典返しに使用する掛け紙の種類は?

法要の際に使用される掛け紙の種類は、種類だけではありません。
ここでは、香典返しで使用される掛け紙の種類とどういった場合で使用するかを解説します。

香典返しに使用する掛け紙は3種類あります。
黒白のし(蓮の花の絵があるもの)、黒白のし(蓮の花の絵が無いもの)、黄白のしの3種類です。
これら3種類の掛け紙に違いについて解説していきます。

黒白のし(蓮あり)

香典返しに使用される水引は、全て結びきりです。
その中でも、黒白の水引には、蓮の絵が描かれているものと、黒白の水引のみのものがあります。
黒白の水引の掛け紙で、蓮の絵が描かれているのしは、仏式にのみ使用されます。
仏式での香典返しの場合は、黒白の蓮の絵が描かれている掛け紙を選ぶとよいでしょう。

黒白のし(蓮なし)

黒白の水引のみの掛け紙は、仏式に限らず、神式やキリスト教など仏事全般に使用することが出来ます。
関西から西日本を中心とした地域でない場合で、仏式かどうかわからない、もしくは神式やキリスト教の場合は、黒白の水引の蓮の絵が描かれていない掛け紙を選びましょう。

黄白のし

関西から西日本を中心とした地域では、黄白のしと呼ばれる黄色と白色の水引の掛け紙が一般的です。
黄白のしには、蓮の絵が描かれていないので、天理教や神式、キリスト教でも使用することができます。

掛け紙の書き方について

香典返しに掛ける掛け紙の書き方について詳しく解説していきます。

文字の色は黒色

「薄墨」という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
香典袋に書かれている名前は、薄墨で書かれていることが多いので、香典返しの熨斗の文字も薄墨でなければいけないと思っている人もいるようです。
基本的なルールとしては、四十九日を迎える前までは薄墨で書き、四十九日後であれば濃い黒色で書きます。
薄墨には、突然起こった不幸に慌てて用意をすることから、十分に墨をする時間がないままに書いてしまったという意味や、悲しみで涙がこぼれ、墨を薄くしてしまったという意味が込められています。
したがって、四十九日後には黒い色で掛け紙に書いても問題はありません。
表書きとのしの名前で色の濃さを変えてしまうのはマナー違反なので注意しましょう。

一般的には「志」や「満中陰志」

表書きで多く用いられるのが「志」です。
「志」は、仏式での一般的な表書きの書き方です。
志には、気持ちという意味が込められており、心ばかりのお返しという意味で贈ります。
仏式のほとんどの場合が「志」ですが、西日本では「満中陰志」と書くのが主流です。
満中陰志とは、仏教で使われる言葉で、故人が亡くなった日から四十九日の間を「中陰」と呼び、その期間が満ちて忌明けを迎えることが「満中陰」です。
故人の霊が忌明けを迎えて成仏したことに対して感謝の気持ちを表すことから、忌明けのことを「満中陰志」と呼びます。

神式やキリスト教は「偲草」

香典返しは、仏式の習慣であり神式やキリスト教では“香典返しという習慣はありません。
しかし、神式やキリスト教では「五十日祭」や「昇天記念日」にそれぞれ香典返しにあたる品物を贈るのが一般的です。

のしの表書きは、仏式同様「志」に加えて「偲草(しのびぐさ)」が使用されます。
地域やそれぞれの家で「偲び草」と書き記す場合もありますが、どちらでも問題ありません。

のしの下に書く名前は喪主の名前

一般的に熨斗の下部には、施主のフルネームか名字のみ、もしくは喪主の名字に「○○家」とつけて印刷します。
中には家族のフルネームを連名で書くといったことや、喪主と兄弟の連名を書くと認識している人もいますが、基本的にのしの下に連名で書くことはありません。

香典返しの熨斗は内のし?外のし?

香典返しの品物に掛ける掛け紙について、内のしにするべきか外のしにするべきか悩む人も多いでしょう。
香典返しの熨斗の掛け方について説明する前に、内のしと外のしについて解説します。
まず、内のしとは、包装紙の内側に掛ける熨斗の掛け方のことを指します。
内のしの場合は、包装紙の内側に熨斗が掛けられているので、パット見で贈りものの用途がわかりません。
したがって、控えめな気持ちで贈る際に内のしが使用されます。

一方、外のしは、包装紙の外側に掛ける熨斗の掛け方のことを指します。
外のしは、ひと目見て贈りものの用途が分かるので、贈りものの目的をはっきりと伝えたい時に使用される掛け方です。

香典返しの場合、故人を供養する弔事の贈りものなので、内のしが一般的です。
しかし、香典返しの品物を直接手渡しする場合は、贈りものの目的と香典への感謝の気持ちを表す意味で、外のしを掛ける場合があります。
他にも、地域によっては外のしが一般的という場合もあるので、香典返しの品物を用意する前に確認すると良いでしょう。

正しい知識を持って相手に感謝の気持ちを伝えよう

日本の贈りものの象徴でもある掛け紙。
お祝い事や仏事ごとなど、さまざまな種類があり、いざという時にどの熨斗を使用すればいいのか、そもそも熨斗は必要ないのか、悩んでしまうこともあるでしょう。
弔事ごとは特に、突然起こる出来事です。
最近では、昔ほどしきたりや昔ながらの慣習にとらわれることが少なくなってきましたが、それでもいざというときのために大人の振る舞いがしっかりできるように、最低限のマナーを押さえて相手に失礼のないようにしたいところです。
不祝儀の時だからこそ、礼儀を重んじて故人を偲んでくれた人への感謝の気持ちをしっかりと相手に伝えましょう。