香典返しを辞退するのは失礼?香典返しの上手な断り方と辞退された時の対応方法

2023/04/12
香典返しを辞退するのは失礼?香典返しの上手な断り方と辞退された時の対応方法

葬式や通夜に参列して頂いた人から受け取る香典。故人やその家族・親族を偲ぶ気持ちも込められている香典に対しては、感謝の気持ちをお返しするのが一般的なマナーです。しかし中には、大切な人を失った配慮から香典返しはいらない、不要だと言って辞退される人もいます。この記事では、香典返しを辞退されたら香典返しを辞退することは失礼なことなのか、香典返しは無し、香典返しを辞退したい時に相手に失礼にならない断り方や言い方について解説していきます。
最終更新日:2023年4月12日

目次

そもそも香典返しとは?

そもそも香典返しとは、お通夜や葬儀で故人にお供えしていただいた香典へのお返しのことをいいます。
昔は、身内に不幸があった時、親戚や親しいご近所の方々が集まって故人の供養をしていました。
それが現在では集まる場所や時間が合わないと理由で「香典」や「お供え物」という贈りものに形を変えて、葬儀などで香典を贈るようになったのが香典の始まりです。
香典には、大切な家族を亡くした遺族を励ますという気持ちが込められており、香典返しの際にはその気持ちにお返しするという形で無事に法要を済ませることが出来た報告を兼ねて贈ります。

香典返し辞退は失礼?なぜ香典返しを辞退するの?

香典返しをしようと香典袋の金額を確認していると、香典返しを辞退したい旨の一筆が書かれてることがあります。
また、葬儀や通夜の受付をした際に、香典返しを辞退したい旨の連絡をして行かれる人がいます。
香典を頂いたら、基本的には香典返しとして品物をお返ししますが、香典返しを辞退された場合はどうすればいいのでしょうか。
そもそも、香典返しを辞退しても良いのでしょうか。
また、なぜ香典返しを辞退するのでしょうか。
香典返しが辞退されるケースを紹介していきます。

残された家族の負担を考えて辞退する

香典返しを辞退する理由で多いのが、「残された家族に余計な負担をかけたくない」という理由です。
一般的には、喪主様である一家の大黒柱が亡くなった時には香典返しはなしというルールがありますが、その他のケースでも、「家族を亡くして大変な時に気を遣わせたくない」という理由や「葬儀の費用にあててほしい」という理由が香典返しを辞退する理由の多くを占めているようです。

香典が少額の場合

他にも、香典返しを辞退する理由の一つに単に香典が少額であるというケースがあります。
香典返しの方が金額が高くなりそうな香典の場合には、遺族に金銭的な負担を掛けてしまうので、香典返しを辞退するということです。
例えば会社の複数人が連名で香典を包む場合は、一人あたり500円ほどの香典返しになることもあります。
そういった場合には、予め香典返しを辞退する人が多いようです。

香典返しを受け取ることが禁止されている

参列者の中には、政府関係者や公的機関からの香典を持参する人もいるかもしれません。
そういった人は、職場の規則で「香典返しは辞退する」と規則で決められている場合があります。
規則で決められているので香典返しは受け取ることが出来ないと受付や香典袋に連絡があった場合は、香典返しを贈ると返って迷惑になるので、香典はご厚意として受け取りましょう。

香典返しを辞退したい時はどうすればいい?

それでは次に、自身が香典を包むケースを紹介します。
香典をしたけれど、香典返しを辞退したい時にはどうすればいいか、相手に気を遣わせずに上手にお断りする方法を解説していきます。

香典袋に辞退したい旨を書く

最もスマートな方法が、香典袋の表書きの裏面や中袋に一筆添えるという方法です。
メールで送る方法もありますが、失礼に当たる可能性もあり、あまり好ましくありません。
または、香典と一緒に一筆箋などの手紙を添えておくという方法もあります。
どちらの方法にしても、遺族に香典を辞退する旨の連絡をしなければいけません。
書き方に決まりはありませんが、相手にしっかりと伝わる方法で伝えるようにしましょう。
法事の際に受付の人に口頭で伝えるという方法もありますが、万が一伝わらなかったということもあるので、香典袋に書いておきましょう。

香典の金額を少額にする

その他の方法は、香典の金額を少額にするという方法です。
香典返しの一般的な相場は故人との関係性によって変わってきますが、10000円や15000円の香典をしなければいけない立場の場合、3000円や5000円を包むと良いでしょう。
直接的に「香典を辞退する」と伝えていませんが、少額の香典にはお返しをしなくてもよいという考え方があるので、香典返しを辞退したい場合は香典の金額を少額にするという方法もあります。
しかし、この場合も念の為に香典袋に辞退の旨を書いておくことをおすすめします。

香典返しを辞退したい時の断り書きの書き方

香典返しを辞退したい時の方法を説明しましたが、ここでは実際にどんな言葉で伝えれば失礼にならないのか、上手な断り書きの例文を紹介します。

先程も説明したとおり、書き方に決まりはありませんが、
「心よりお悔やみ申し上げます。誠に勝手ではございますが、お返しのお心遣いは遠慮させていただきます。」という書き方が一般的です。
また、残された家族への言葉として、
「ご遺族の今後のために、少しでもお役立てください。」
という一文を添えても良いでしょう。

香典と一緒に手紙を同封する場合も、あまり長文を書くと読むことに時間を割かせてしまうので、簡潔に書くことを心がけましょう。

お悔やみの文章や手紙なので、黒のボールペンや万年筆などで書くと良いでしょう。
薄墨で書く必要はありません。
相手が読めるペンではっきりと書きましょう。

香典返しを辞退されたらどうすればいい?

香典を頂いた人に辞退されたら、そのまま香典返しはしなくてもよいのか迷ってしまいますよね。
ここでは、香典返しを辞退された時どうすればいいかを解説します。

お礼状を贈ろう

香典返しを辞退した人が身内の場合か、友人などの血縁関係のない場合とがありますが、香典返しという形でお返しはしなくても、お礼状で感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
一般的には、香典返しは四十九日の法要が終わった後に、その報告を兼ねて品物と一緒にお礼状や挨拶状を添えて郵送するのがマナーとなっています。
香典返しを辞退された人に対しても、このタイミングでお礼状だけを郵送しましょう。
インターネットで検索すると、文例を掲載しているサイトもあるので参考にすると良いでしょう。

代わりになるものを贈るという方法も

辞退された相手が身内の場合は、相手の気持ちを無駄にしないよう、そのまま気持ちを受け取っても良いでしょう。
しかし、辞退された人が身内ではない場合は、できるだけ香典返しを贈るようにしましょう。
香典返し自体を受け取ることが出来ない立場の人以外には、香典返しを贈っても失礼にはなりません。
それでも受け取ってもらえない場合は、お中元やお歳暮など、季節の挨拶の際に贈りものをし、お礼の気持ちを伝えるという方法もあります。
連名で香典をいただいた人たちを食事会に招待したり、職場のみんなから頂いた場合はみんなで分けられるお菓子を贈るなど、香典返しという形式ではなくてもお礼の気持ちを伝える方法を探してみましょう。

相手の気持ちを汲んで対応しよう

香典を頂いたら、香典返しをするのが基本的なマナーです。
しかし、中には香典返しを辞退するという例外もあります。
香典返しを辞退することは失礼なことではありません。
しかし辞退されたからといって、「決まりだから」と言って相手の気持を考えずに香典返しを贈るのは避けましょう。
大切なのは伝え方です。
相手にも、香典返しの辞退をお願いしたい、辞退しなければいけない理由がきっとあるはずです。
香典返しを辞退された時は、その気持ちを汲み取り、相手の気持ちを尊重した上で感謝の気持ちを伝えましょう。
また、香典返しを辞退したい時には、辞退したい理由が相手にまっすぐ伝わるように、丁寧な言葉で伝えましょう。